気候変動覚え書き

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zoom RSS 中国の石炭のCO2排出係数は40%過大評価されていた

<<   作成日時 : 2015/08/31 07:21   >>

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中国の石炭の特性を4200の鉱山のデータと602の実サンプルに基づいて分析したところ、石炭の使用量をCO2排出量に換算する係数 (emission factor; 以下排出係数) は、主に米国や欧州の鉱山からの値を平均して出したIPCCの推奨値よりも40%低いことが分かった。中国では必ずしも洗炭せず、不純物の多い石炭を使っていることが原因であった。このことを考慮して計算し直したところ、2013年の世界全体のCO2排出量は10%過大に見積もられていたことが分かった。
中国のCO2排出推定値には従来、5-10%程度の不確実性があると推定されていた。2008年の推定値には0.3Gt(15%)の幅があるとの研究もある。その原因としては化石燃料の使用量、および排出係数の不確実性が大きい。後者については中国での実測データがほとんどなかった。
そこで我々は今回、再評価されたエネルギー使用量、溶鉱炉からの金くそ(clinker)、中国の石炭に基づく排出係数、を用いて中国のCO2排出量を再計算した。その結果は下記である。
  • 中国の石炭の排出係数はIPCCの推奨値に比べ40%小さい
  • セメント生産に伴うCO2排出量は最新の推定値より45%小さい
  • 中国政府による2000-2012のエネルギー消費量推定は10%過小
  • 中国のCO2排出量の従来推定は全般的に過大
  • 2000-2012のCO2排出量推定は10%過大
  • 2013年の排出量の改定値は2.49Gt (2σ=7.3%)。従来推定より14%小さい
  • 2000-2013年のCO2累積排出量は2.9Gt過大
  • この改定を行ってもなお中国は世界最大のCO2排出国
  • 世界全体でのCO2排出量の従来推定も過大だったことになる。2013年は10%の過大評価。2000-2013はいずれの年も10%前後の過大評価
  • IPCCの推奨値は要改定
  • 他の国も再評価すべき。最優先はインドとインドネシア。中国以上の不確実性がある。そして南アフリカ
    Nature掲載論文。


  • な、ちょ、おまwww

    中国の統計のいい加減さは経済予測に関わる世界中の専門家を悩ませていますし、それに最も悩んでいるのは中国政府自身だという説もありますし、私は子供のとき「白髪三千丈」という表現を見て「中国の誇張、じゃない、表現技術ってスゲー」と驚いたことがありますし、南京大虐殺30万人は間違いだXX人が正しいという日本な主張も、中国な一般庶民の感覚だと「その程度の誇張は平常運転でしょ、なぜ青筋立てて怒るのか理解不能」なのだと中国人から聞いたことがあります。

    ありますが、、、

    地球温暖化の議論にも中国式は当然入ってくる、はこの論文を見るまで思い至りませんでした。ちょっと甘すぎました --- インドやインドネシアには中国以上の不確実性があるとのことなので、中国だけをやり玉に挙げるのは不公平ですけどね。

    BBCの記事には「我々は大気中のCO2濃度を監視している。だから中国の排出量がどうであれ最終的な気候変動への影響は正確に見積もられている。無問題」という専門家のコメントが。そう言い張りたい気持ちはよーく分かりますが、それは言い過ぎでしょう(本人だって百も承知だとは思います)。CO2やメタンがどこで発生し、どこに吸収されるのか、人類はいま多大な努力を払って定量的に理解しようと努力している最中です。その議論には大いに影響します。そして、CO2排出量の将来予測モデルにも。

    本ニュースは日本語では、わたしがざっと検索した限りでは人民日報中国網がガーディアンやロイターの記事を引きながらレポートしている程度のようです。それに対し、BBCではトップ記事扱いになっていました。英国では温暖化に再び関心が集まっているのだろうか。今年のヨーロッパはクソ暑かったので、それででしょうか。先月(7月)に欧州の山あいの街に出張し、17時(サマータイムなので日本なら16時)に建物を出たところ、日差しが痛くて仰天しました。暑いではなく痛い。私の出張は熱波のピークではなかったのに。地元民いわく、昔も皆無ではなかったが何日も続くことはなかった。出張のフォローの電話会議で暑い〜とぼやいたら、ワルシャワも暑いぞー、今日明日は36℃の予報が出てる、週末は38℃らしい、という声が上がりゲンナリしました。ワルシャワって、冬は-30℃行くこともあるんだぞ、お前らとは鍛え方違うんだと昔お国自慢(?)されたあの街だよね。それが38℃?冗談きついぜ。

    それはそうと、よく分からないのが
  • 中国の2013年の排出量の改定値は2.49Gt (2σ=7.3%)。従来推定より14%小さい
  • 世界全体では、2013年は10%の過大評価
    という記述です。中国以外の値が変わらないとすると、中国の排出量が世界全体の10/14を占めている必要がありますが、中国はそこまで巨大ではありません。原論文を確認できていないのですが、どういう計算なのだろう?Nature掲載論文です、こんな小学校の算数レベルの議論でミスがあるとは考えにくい。

    Journal reference: Zhu Liu, Dabo Guan, et al., Reduced carbon emission estimates from ossil fuel combustion and cement production in China, Nature, doi:10.1038/nature14677

    China CO2 emissions: 'Coal error' caused wrong calculations, By Matt McGrath, BBC News, 19 August 2015, from http://www.bbc.com/news/science-environment-33972247

    China's carbon emissions from fossil fuels may be 14% lower than thought, the Guardian, 19 August 2015, from http://www.theguardian.com/environment/2015/aug/19/chinas-carbon-emissions-may-be-lower-than-thought
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