気候変動覚え書き

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zoom RSS Larsen A, B棚氷崩壊による周囲の氷河の厚み減少

<<   作成日時 : 2011/07/30 01:41   >>

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棚氷が崩壊すると、棚氷がせき止めていた氷河は薄くなり、流れは速くなるなど様々な影響がでるとされます。1995, 2002年に崩壊したLarsen A, B氷棚のその後を解析した論文が出たようです。何はともあれその動画。Larsen A, B棚氷の崩壊は知っていましたが、その周囲が落ち着くには10年以上の年月がかかるとは知りませんでした。
Larsen A, B棚氷が1995, 2002年に崩壊した後、両棚氷に流れ込んでいた氷河の高さや質量が2001-09年の間にどのように変化したかを様々なデータ、すなわちMODISの画像、ASTER (2001-04)とSPOT5 (2006)の高度モデル(digital elevation models, DEMs)、およびATMとICEsatのレーザー高度計、を統合することで解析した。
Larsen Bに流れ込んでいた氷河群 (Hektoria, Green, Evans, Punchbowl, Jorum and Crane)の高さは2001〜06年に最大で160m減少し、その後も薄くなり続けていた。Larsen Bの残渣によって出口がふさがれているFlaskとLeppard氷河の厚み減少は小さかった。
Larsen Aに流れ込んでいたDrygalski氷河は、棚氷崩壊後14年が経過しているが、いまだに3m/year以上の速度で薄くなっている。そのことを考えれば、Larsen Bに流れ込んでいた氷河群の質量減少は今後も年単位で続くであろう。
失われた氷の量はCrane氷河が13km^3超、Hektoria-Green-Evans氷河が30km^3で、これらを合計すると2001-06年には11.2Gt/yearの質量が失われていた。質量損失は従来、質量収支モデルに基づいて計算されていたが大きくばらついていた。11.2Gt/yearはそれらの値のちょうど中間となる。またGRACEの観測ではこの地域一帯からは40Gt/yearの質量が失われているとされており、その一部とすれば理にかなっている。なお現在進行中の解析によれば、2006-10年に失われた質量は10.2Gt/yearであった。
上記はほぼAbstractそのものですが、最後の、2006-10年についての一文はプレスリリースからです。Abstractにはそんなこと書いてません (論文は2001-09年についての解析ですから、当然です)。つまり、論文にしていないデータをプレスリリースに書いてしまったということですが、いいんだろうか。おなじ解析手法で論文書いても、二番煎じはレベルの高い論文誌には載せられないから、論文化しなくて構わないという自信の表れ?

Journal Reference: Christopher A. Shuman, Etienne Berthier, Ted A. Scambos. 2001-2009 elevation and mass losses in the Larsen A and B embayments, Antarctic Peninsula. Journal of Glaciology, Vol. 57, No. 204, 2011, from http://etienne.berthier.free.fr/Shuman_et_al_JOG_2011.htm

NASA/Goddard Space Flight Center (2011, July 26). Detailed picture of ice loss following the collapse of Antarctic ice shelves. ScienceDaily. Retrieved July 28, 2011, from http://www.sciencedaily.com/releases/2011/07/110725123547.htm

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