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zoom RSS 鮮新世の海面上昇の従来見積もりは過大?

<<   作成日時 : 2015/09/16 21:13   >>

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鮮新世中期の温暖期 (MPWP, 330-290万年前, 推定CO2濃度350-450ppm) の海面上昇は25-30m程度であったとの推定が多い。これは西南極氷床とグリーンランド氷床は完全に、東南極氷床は30%溶けることを意味する。だが今回、氷床自体の酸素同位体比の変化を考慮して推定し直したところ、上昇幅は9–13.5mとなることが分かった。
過去の海水面の推定の多くは底生有孔虫の酸素同位体比(δ18Ob)を深海の海水温と陸上の氷床とに換算することで行われる。鮮新世についての推定では南極氷床の同位体比(δ18Oi)は現在と変わらないと仮定されていた。δ18Obを氷床から流れ出る水のδ18Oに変換するときの変化は考慮されていたが、海洋-雪氷系全体では18O/16Oの比率は変化しない、は無視されていた。
そこで今回、南極での降水と鮮新世における南極の地表温との関係を氷床のモデルを用いて校正し直しδ18Oと温度との関係式を作成し直した。その結果、鮮新世の南極氷床のδ18Oiは現在よりも少なくとも0.1-0.4%高いことが判明した。18O/16O比の保存則を考えると、これは鮮新世の海面上昇が従来は5-20%高く見積もられていたことを意味する。この点を修正すると、上昇幅は9–13.5mとなった。これは東南極氷床は従来推定より安定だと示唆している。
Geology掲載論文。
Proxy (温度計や雨量計や潮位計等々の代わりになる何らかの記録) を使って過去の気温やら海面やらを推定するのは大変なんだろうなあと思います。能天気に見てきたように描く文書を見ると、それ本当?という疑念がむらむらと湧き起こります。が、こんな基本的な穴が誰にも気付かれずに残っていたのだろうか。けっこう歴史のある推定方法なのに。見落としとはそういうものですが、ちょっと不思議。
鮮新世の温暖期はCO2濃度が現在に近く、陸地の配置もほぼ同じなので将来予測では大い に参考になるとされます。最終的には30mの海面上昇なら1000年後は20mとかかなあ、西南極氷床は崩壊しグリーンランドはかなーり淋しくなり、、、世界地図でも海岸線の変化が分かるレベル、、、うぅ、見てみたい!それまで長生きしたい!とか妄想しているのですが違うんだろうか。
9mならば12万年前の、今より1℃程度しか高温ではなかった時の海面上昇と大して変わりません。それはそれで、ちょっと気持ち悪い。

Journal reference: Matthew J. Winnick and Jeremy K. Caves, 'Oxygen isotope mass-balance constraints on Pliocene sea level and East Antarctic Ice Sheet stability', Geology, vol. 43, p.879–882, doi:10.1130/G36999.1

The absence of evidence of absence of the East Antarctic Ice Sheet, Geology, October 1, 2015, v. 43, p. 943-944.

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