気候変動覚え書き

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zoom RSS ハワイでのCO2濃度、初の400ppm超え

<<   作成日時 : 2013/05/20 18:33   >>

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CO2観測において象徴的な場所であるハワイ、Mauna LoaでのCO2濃度の観測値が5月4日の正午、観測史上初めて400ppm台に乗ったとのこと。
これは瞬間値です。この日の一日平均は399.73ppmでした。5月9日には一日平均が400.03ppmと速報され、あちこちでニュースになりましたが、その後399.89ppmに訂正されました。5月13日の速報値は400.07ppmと再び400ppmを超えてきましたが、399.98ppmに訂正されました。14日は400.03 --> 399.97ppm。はてさて。そもそも、なんで訂正が入るんだろう。算出 or 入手に時間がかかるデータって何?
CO2濃度は一日の中でも数ppm動きますし、季節変動もあります。ハワイでは毎年5月がピークとのこと。だから今回の一連の値は追い風参考記録みたいなものです。そして他の観測点では既に400ppm超えが昨年からぽちぽち出ていました。では全球平均はというと、現在発表されている最新の値は2013年2月で、395.98ppmです。CO2濃度の増加率は現在約2ppm/yearですから、400ppmを超えるのは2014〜5年頃でしょう。
だから科学的には今回のイベントに大した意味はありませんが、心理的なインパクトという意味ではなかなかのものです。来るべきものが来てしまった、ということでGuardianEconomistが記事にしています。
このところ本ブログがなかなか更新できていませんが、この数年、この分野を勉強し直してみて思うのは
  • CO2濃度が上がっている割には気温は上昇していない
  • 気温の上昇は僅かでも大きな変化が起きる
  • 分かっていないことは本当に多い
    です。

    気温は間違いなく着実に上がってきています。たとえば21世紀でもっとも寒冷だったのは気象庁のデータによれば2008年、30年平均値+0.05℃です。これは1980年代ならぶっちぎりで1位、1990年代でも3位にランクされる暑さです。ベースラインが上がっているのです。でも予想されていたほどではありません。例えば1998年の記録は未だに更新されていません。これは詳しくは色々ありますが、泣く子も黙るほどの圧倒的な記録はその後出ていないと言う事です。1991年に発行された第一次IPCC報告書の予測の下限 (2σ) は少しですが下回っています。その評価論文には「多数の重要なプロセスが予測に含まれていなかったことを考えれば良く合っている、結局CO2の温室効果こそが重要なのだ」となっていて笑いました。そうかと思うと、温暖化が停滞しているのは小さな火山たちから出るSO2が、塵も積もれば山となっているからだ、なんて論文も。結論が出るのは多分数十年先でしょう。1960年代に寒冷化した理由は未だに論争が続いているようですから。私が生きている間に目星がつくといいな。
    でも、その程度の温暖化でも大きな影響が出ています。氷、および海の酸性化による影響は想定以上という印象を受けます。北極海の海氷は急速に溶けつつあるし、2012年にはグリーンランド氷床のほぼ全域(97%)で表面が溶けるというイベントが発生したし、南極の氷が増えているのか減っているのかは長年の謎でしたが、西南極氷床に限れば間違いなく質量を失いつつあり、しかも次第に加速しているらしい。海の酸性化の影響は既にあちこちで出ているようです。そもそもCO2濃度を280ppmとかにすると貝の生育は明らかに良くなるようですし、米国のカキの稚貝の7〜8割を供給している湾で稚貝が育たない現象が発生、酸性化が原因と判明したので酸性度が高い時には湾外から海水を取り入れないようにしているとのこと。それで生活している人にそう言われると思わず信じてしまいます。
    そして、我々人類の知識は本当に僅かですね。この世界が分からないことだらけであることは知っていましたし、私が大学生だった頃に比べれば随分と分かったと認識しています。私が読んだ教科書には、海がCO2の吸収源なのか放出源なのかは不明と書かれていましたから。でも、例えば欧州と北米の寒波です。温暖化で北極海の氷が溶けると大雪になるなんて誰も予測してなかったぞ?! 寒波が2年連続で来た途端、これはジェット気流が蛇行して、、、という論文が続々と現れました。その説明が嘘だとは思いませんが、そーゆーのは前もって言わないとね。Scientific Americanに「では他には何が起きるのか?」という解説記事があって喜んで読んでみたら、要は「わかりません」でした。正直でよろしい、、、では済まないんだよなぁ。これからもびっくり箱が色々あるのでしょう。

    400ppm超えを受けたFinancial Timesのコラムは、人類は今後もCO2排出を続け、climate chaosに直面するまで止めないだろうとして、理由をいくつか挙げています。2番目の理由は「温暖化を認めると、自由市場に介入しなければならなくなるから」。これ、思わずため息が出ます。自由市場の考え方はキリスト教と深く結び付いています ---すくなくとも、キリスト教のやばいものを見たことがある私には、そうとしか思えません。人間は罪深い存在だ。頑張っても頑張っても自分は罪を犯してしまう。自分は悪なのか? 神は何をお考えなのか? と悩むキリスト教徒に自由市場のイデオロギーは「神は自由市場の『神の見えざる手』を通じてお前の欲望を善に変える。欲望のままに振舞って良いのだ。お前は善なる存在であり、神に愛されている。安心して励め」と響くのです。その教えを歓喜の涙とともに受け入れた人間に、市場の悪口を言ったら? それ神に対する悪口です。受け入れられっこありません。であれば我々は行くところまで行くのでしょう。何が起きるのでしょうね。

    2013/05/26追記: 5月19, 20日は確定値でも400ppmを超えました。21日からは399ppm第二戻っています。科学的にはいずれにせよ大した意味はないですが。
    2013/05/26追記: UNFCCCが声明を発表しています。「我々は努力しなければならない」以上のことは書いてありませんが。
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