気候変動覚え書き

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zoom RSS 南半球全体が乾燥中?

<<   作成日時 : 2010/10/23 03:35   >>

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陸に吸収された太陽エネルギーの半分以上が現在、水を蒸発させることに使われている。陸地に降る雨の約60%がこれにより蒸発する。そして気候変動はこうした水循環を強め、蒸発散量(地表から大気に戻る水分の総量)を変える、と大多数の気候モデルが予測している。そうなれば生態系に影響するし、地域的な気候や地球全体の気候にもフィードバックがあると見込まれている。だが全球レベルでの蒸発散量の直接観測はこれまで存在しなかった。
そこでFLUXNETの全球モニタネットワーク、気象観測とリモートセンシングのデータ、および機械学習アルゴリズムを集め、1982〜2008年の全球の陸地からの蒸発散量を推定した。地球全体の推定としては初である。またプロセスベースの陸表モデル (って何?) のアンサンブルを使いその期間の蒸発散量の変動を推定した。その結果によれば、1982〜1997まで蒸発散量は7.1±1.0mm/yearで増加した。だがこの傾向は1998年に変化し、それ以降2008年までほとんど増加しなくなったか、全く増加していないように見える。
1998年から変化したと言われれば、1997〜98の大エルニーニョが思い浮かぶ。だが2008年まで続いていることを考えれば、これが原因かは疑わしい。
この1998年に起きた変化は主に南半球、具体的にはアフリカ南東部、オーストラリアの大半、インド中央部、南米の大半、およびインドネシアの一部が乾燥して水分の蒸発量が制限され、それら以外の地域での蒸発散量の増加を打ち消したために起きているように見える。衛星観測に依れば、これら地域の土壌中の水分は1998〜2008で減少している。これらは元々乾燥していた地域ではあるが、一部は熱帯雨林である。
この変化が自然変動なのか、より永続的な水循環の変化の表れなのかは現時点では観測期間が短すぎて判断できない。とはいえ、気候変動の影響が現れ始めている可能性は否定できない。もしそうならば、事は重大である。作物の生育は悪くなり、陸地のCO2吸収能力は落ち、蒸発熱で陸地を冷やすメカニズムが衰え、より強烈なor頻繁に熱波が起き、気候変動の正のフィードバックが起きることを意味するからである。
Nature掲載論文。
えーと、上記の第4パラグラフ、具体的な地域名を名指し、それら地域の変化と地球全体の変化の屈曲点とを結びつけた記述、は論文のabstractの記述とScienceDailyの記述 (オレゴン州立大学のプレスリリースを忠実に転記したもの) を私が前後を考えながらミックスしたものですが、私の知識不足と原論文を見ていない(見られない)ことにより、間違っている可能性があります。具体的には「衛星観測に依れば、これら地域の土壌中の水分は1998〜2008で減少している」の「これら地域」と「アフリカ南東部、オーストラリアの大半、インド中央部、南米の大半、およびインドネシアの一部」が正確に一致するのか確認できていません。論文のアブストラクトでは「特にアフリカとオーストラリア」となっています。あー原論文が見たい。これ、とても重要な話なんだから。それはそうと、

駄目だ。この記事が何を言っているのか全然理解できない。陸水学の勉強が必要だ。非常にやばい話であることは明々白々ですが。

しばらく前に読んだ一般向けの本には、温度が上がったのに蒸発散量が増えない=そこは砂漠です、と書かれていました。あれは一般向けの本であり、科学者向けの文章にはつきものである山のような前提条件(予防線ともいう)は一切書かれていませんでした。だからその記述をここに当てはめるのは無理があると思いたいが、どうなんでしょう。こんな広大な地域が砂漠 or 砂漠のお友達になりかかっている、なんて怖すぎるし「一部は熱帯雨林」だとするといきなり砂漠は考えにくいと思いますが、ScienceDaily/オレゴン州立大プレスリリースでは'dry up (干上がる)'という言い回しが使われていたりする、、、

Journal Reference: Martin Jung, Markus Reichstein, Philippe Ciais, Sonia I. Seneviratne, Justin Sheffield, Michael L. Goulden, Gordon Bonan, Alessandro Cescatti, Jiquan Chen, Richard de Jeu, A. Johannes Dolman, Werner Eugster, Dieter Gerten, Damiano Gianelle, Nadine Gobron, Jens Heinke, John Kimball, Beverly E. Law, Leonardo Montagnani, Qiaozhen Mu, Brigitte Mueller, Keith Oleson, Dario Papale, Andrew D. Richardson, Olivier Roupsard, Steve Running, Enrico Tomelleri, Nicolas Viovy, Ulrich Weber, Christopher Williams, Eric Wood, Sonke Zaehle, Ke Zhang. Recent decline in the global land evapotranspiration trend due to limited moisture supply. Nature, 2010; DOI: 10.1038/nature09396

Oregon State University (2010, October 11). Huge parts of world are drying up: Land 'evapotranspiration' taking unexpected turn. ScienceDaily. Retrieved October 16, 2010, from http://www.sciencedaily.com/releases/2010/10/101010133630.htm

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