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zoom RSS コケムシの分布に残る西南極氷床が簡単に崩壊することの証拠

<<   作成日時 : 2010/09/04 01:50   >>

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コケムシなんて生き物がいること自体、この記事を読むまで知りませんでした。元記事には写真があります。
南極の大陸縁辺におけるコケムシの群体(?)の分布を調査した。驚くべきことに、もっとも近縁であったのは、西南極氷床を挟んで反対側となる、ウェッデル海のものとロス海のものとであった。
この結果を説明するために3個の作業仮説を検討し、間氷期に温暖となり西南極氷床が崩壊してできる、2つの海域をつなぐ浅い水路を通じてコケムシが広がった可能性が最も高いとの結論に到達した。氷床崩壊時にはこれら以外の海域にもコケムシは広がったが、両海域のコケムシは氷期にも避難所的な場所で生き延びたのに対し、他の海域(南極半島や南シェトランド諸島ほか)では絶滅してしまい、現在の間氷期になってから改めて広がったと考える。またロス海とウェッデル海のコケムシの類似性は、その近くのコケムシとのもの以上に類似性が高いことから、この崩壊は少なくとも過去2,3回の間氷期のどこか、恐らくは酸素同位体ステージ5(12万5000年前)の間氷期で起きたと考えられる。Global Change Biology掲載論文。
コケムシの幼生は寿命が短く、海流に乗って遠くまで広がることはない。成体となったコケムシは海底に固着する。そうした生物でもロス海からウェッデル海まで生息域を広げることができる環境がかつて存在したのだ、というロジックのようです。ふむ。西南極氷床がステージ5の時には崩壊していた、はいかにもありそうな話です ---当時の海面は今より4〜6mか、もっと高かったと聞きます、それが本当ならば今ある山岳氷河がすべて溶けるだけでは足りません、南極かグリーンランドが大規模に溶ける必要があります。
ただよく分からないのが、ロス海やウェッデル海から改めて広がったのだとしたら、もっとも近縁なのはロス海とその近く、ウェッデル海とその近く、ではないかと思うのですが。あと、ステージ5の時に崩壊した、と推定する理由がよく分からない。論文の本文には書いてあるのだろうと思いますが、分子時計とかを使うんでしょうか。少なくとも「両海域のコケムシがもっとも近縁だからつい最近」は変な気がします。すぐ近くのコケムシと区別がつかないくらい近縁、なら分かるけど。similarとproximityという言葉の解釈を僕が間違えている?

Journal reference: David Barnes, Claus-Dieter Hillenbrand, Faunal evidence for a late quaternary trans-Antarctic seaway, Global Change Biology, 5 FEB 2010. DOI: 10.1111/j.1365-2486.2010.02198.x

British Antarctic Survey, Press Release - Marine animals suggest evidence for a trans-Antarctic seaway, 31 Aug 2010, from http://www.antarctica.ac.uk/press/press_releases/press_release.php?id=1274


2012/05/13追記: Turquet's octopusというタコの遺伝子の解析からも同様の結論が得られたようです。20万年前に起きた氷床崩壊の影響と推定されてますが、年代の推定方法がやはり分からない、、、こちらも分子時計使ったのかな。

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