気候変動覚え書き

アクセスカウンタ

zoom RSS アマゾンが乾燥すると熱帯雨林はどうなるのか?

<<   作成日時 : 2010/07/31 15:34   >>

ブログ気持玉 0 / トラックバック 0 / コメント 0

Nature Newsを見ていたら、現状のまとめ的な記事がありました。
2005年、アマゾンの熱帯雨林の大半は100年に1度の大干ばつに襲われ、場所によっては雨量が60〜75%減少した。気候学者達はこれを気候変動の影響を予測する手がかりにしようとしている。
温暖化するとアマゾンは乾燥すると多くの気候学者は予測しており、今回の干ばつはそのひな形となる。だが5年が経過し、膨大な研究 (New Phytologist最新号の特集には13本が掲載) が行われたが、研究者達はいまだに干ばつの影響と、温暖化における意味を把握しようと苦闘中である。
Saleska(2007)はNASAのTerra衛星の観測に基づき、アマゾンの熱帯雨林の林冠(森林の枝葉が茂っている最上層の広がり)は干ばつの期間中も成長し緑が濃くなった、熱帯雨林は意外と干ばつ(少なくとも短期の干ばつ)には強いのかも、雲が減少し日差しが増したからかもしれない、と議論した。だがSamanta(2009)はおなじ衛星データに基づき、特に緑が増加したとは認められないと主張。StanfordのGregory Asnerいわく、現在の、20年前に設計された衛星はそうしたことを観測するように作られていないからだ、誰のミスでもないし、現在軌道ある衛星ではこの問題は解決できない。
IPCC AR4はアマゾン地域の40%は干ばつに対して大変脆弱だと誇張しており、この論争はAR4への非難を煽ることとなった。だが長期にわたる地上観測からは、地域こそ限られるものの、熱帯雨林は乾燥に弱いとの一貫した結果が得られている。Phillips(2009)は地上観測から2005年の干ばつで成長は減少し枯死も増えたとし、またNew Phytologist論文の一つは長期実験に基づいて同様の報告をしている。7年間にわたり1ヘクタールに降る雨の半分を吸い出したところ、木の生長は30%減少し、枯死は倍増した。
その一方、こうした複雑な現象を考えるとき、ただ一つの原因だけを考えるのは間違いの元だ、そのことを忘れないようにすべきとの指摘もある。
これらを解決するには新しい衛星が必要だ、としてAsnerは林冠の葉の色や化学的な変化をより詳細に観測するHyperspectral Infrared Imager (HyspIRI)ミッションを行うようNASAに働きかけている。だがこのミッションは地球科学の中では高い優先度を与えられているにもかかわらず、2020年までスケジュールは回ってこない。
その一方、アマゾンに対する温暖化の影響では干ばつに焦点が当たりがちだが、CO2の施肥効果こそが最大の不確定要素である、と近年のモデルは示している。CO2が増加するとCO2取り込みが容易になり光合成での水分損失が減少する。このためCO2は成長を促進しCO2吸収量を増加させるのみならず、乾燥に強くする。
北半球での実験 (CO2を調査区画に注入ほか) によれば、CO2の施肥効果は窒素等の栄養素で制限される。熱帯の専門家達はアマゾンでも同様かを知りたいと考えている。中核をなす問題であり、実験が行われていない以上なにも言えないからである。
いろいろ複雑なんですねえ。

Jeff Tollefson, Amazon drought raises research doubts, Published online 20 July 2010 | Nature 466, 423 (2010) | doi:10.1038/466423a

テーマ

注目テーマ 一覧


月別リンク

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!
ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。
→ログインへ

トラックバック(0件)

タイトル (本文) ブログ名/日時

トラックバック用URL help


自分のブログにトラックバック記事作成(会員用) help

タイトル
本 文

コメント(0件)

内 容 ニックネーム/日時

コメントする help

ニックネーム
本 文
アマゾンが乾燥すると熱帯雨林はどうなるのか?  気候変動覚え書き/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる