気候変動覚え書き

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zoom RSS PETMからの類推:我々は重要な正のフィードバックを見逃している?

<<   作成日時 : 2009/07/28 20:15   >>

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CO2の正確な気候感度は誰も知らない。だが現在のモデルで使われている要因をPalaeocene-Eocene thermal maximum (PETM)の温度上昇に当てはめたところ、PETMで実際に起きた温度上昇の半分しか説明出来ないことが分かった。
PETMではC13が少ない炭素が大量に大気中に放出されたことが分かっている(排出源は不明)。これに伴い数千年という短期間で全球平均気温は5〜9℃上昇したとされる。
今回、海底堆積物の公開データから得られる深海の炭酸塩の濃度、炭素同位体比、および炭素循環の計算からPETM期間中のCO2濃度上昇幅を見積もったところ、上昇幅は70%以下であることが分かった。現在の気候感度の議論によれば、これでは気温は1〜3.5℃しか上昇しないこととなり、PETMの気温上昇の半分しか説明出来ない。CO2以外の何か、現行モデルに取り入れられていない正のフィードバックか何らかの他のプロセス、がPETMの温度上昇を引き起こしたのではないか、と著者ら。Nature Geoscience掲載論文。
うーん、PETMのときの気候感度って現在のモデルから精度良く推定可能なんだろうか。全く見当がつきません。PETMと言えば5500万年前。ベースとなるCO2濃度は今よりずっと高かったし、ヒマラヤ山脈も存在しないし。著者も査読者も、そんなことは百も承知の上で議論しているのだと思いますが。

Journal reference: Zeebe et al. Carbon dioxide forcing alone insufficient to explain Palaeocene-Eocene Thermal Maximum warming. Nature Geoscience, 2009; DOI: 10.1038/ngeo578

Rice University (2009, July 15). Global Warming: Scientists' Best Predictions May Be Wrong. ScienceDaily. Retrieved July 22, 2009, from http://www.sciencedaily.com/releases/2009/07/090714124956.htm

2009/08/16追記: 現在の気候感度の議論を5500万年前のイベントに当てはめることの是非はみな疑問に思うらしく、RealClimateブログで思い切り疑いの目で見られてます。論文もさることながら、論文のプレスリリース、そのタイトル (本ブログのタイトルはそこから来ている), 誘発された議論は変だとのこと。ありゃ。

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