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zoom RSS 北極海の氷はリモートセンシングのデータより薄い?

<<   作成日時 : 2009/04/21 22:46   >>

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北極海の氷の溶け具合を調べるため現在徒歩で北極海を横断中のチームからの連絡によれば、多年氷がある筈の場所で見つからない場合が多いとのこと。
観測チームはカナダ北岸を3月頭に出発し1000kmのトレッキングで北極点に向かっている。これまで380kmを踏破。厚い多年氷がある筈のエリアであり少なくとも2m超、実際には3.5m以上の厚さのある氷が見つかる筈だった。だが現在までのところ、氷の厚さの平均は1.8m弱に過ぎない。これは1年氷が大半を占めていることを示唆している。また氷に積もっている雪も、予想されていた35cmよりもずっと薄いことが判明。
夏の氷は北極の周囲に、より厚い多年氷はカナダの北岸の島々の周囲に集まる傾向がある。観測チームは毎日4時間ドリリングする。手堀りで最大5.2mまで可能、だが現在までその能力を発揮したことは4回しかない。多年氷を掘っているなら4回ぽっちの筈はない。氷の厚さを計測するための携帯用レーダーも利用予定だったがバッテリに問題が起き使ってない。この問題は近々解決する見込み。観測チームは5月末まで活動する予定。
本観測のスポンサーは英国の保険会社Catlin。
まず最初に、徒歩で北極海を横断し観測なさる皆様に深い感謝と敬意を。これだけ氷が薄くなるとスノーモービルとか重量のある機材は使えないということなのだろうか。スノーモービルで氷踏み割るとダメージ大きいですからね。冒険家と呼ばれる人々を雇ったようですが、空からの補給とかもするんでしょうが、私には絶対できない観測です。

そして、本活動を資金的に支える保険グループCatlinに感謝を。

それはそうと。気を取り直して。

駄目じゃん。

これって現在のリモートセンシング技術には問題があり、北極海の氷のどの部分が多年氷でありどこは1年氷であり、どこは溶けやすいとかもっともらしくマップが作られているけど疑った方がいいかも?という話ですね。はい、よくある話です。でも「観測データ、ごめんなさい、間違ってました。シミュレーションとか色々ご協力頂きましたが、あれ全部砂上の楼閣でした。忘れて下さい」と言われるとダメージ大きい。少なくとも元記事のタイトル「多年氷がないこと、冒険家たちを驚かす(Lack of permanent Arctic ice surprises explorers)」は違うでしょ。リモセンの推定が狂っていることこそが重要でしょ。(一般の人を読者として想定しているロイターには無茶な要求かもしれないが)

たしか赤祖父先生は「正しく知る地球温暖化」で「私は昔、氷がない筈の場所で氷に閉じこめられかけたことがある、あいつらの言うことは信用できん」と怒っておられましたが、はい、お怒りはもっともですが、今回は逆の誤りがあったと言うことですね。

えーと。現場担当者ではない悲しさ、こういう話が出てくると、何をどのくらい疑えばいいのかさっぱり分かりません。赤祖父先生は「あいつらの見積もりは甘すぎる」とお怒りであり今回の記事は「従来見積もりは厳しすぎた」ですよね。どちらの証言も生々しいので多分本当なのでしょう。駄目じゃん。さて、どうすりゃいいんだ?氷の厚さ、雪の厚さの推定方法は複数あったと記憶しています。全部が狂ってるのか?現在主流の方法に勘違いがあっただけなのか?簡単に修正出来るのか?それによって話はずいぶん変わるんだけど。

元記事によれば、本プロジェクトの科学者としての責任者は個別インタビューは拒否して「データを解析してみます」とのみ述べたとのこと。気持ちは分かります。解析結果、期待してます。

(Reporting by David Ljunggren; editing by Rob Wilson), Lack of permanent Arctic ice surprises explorers, Reuters, Fri Apr 17, 2009, from http://www.reuters.com/article/environmentNews/idUSTRE53G3GP20090417?sp=true

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北極海の多年氷、遂に見つからず
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コメント(4件)

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自分なら観測いきます!(笑)

身も蓋も無い話ですが、リモセンってそんなものでは?
水かそうでないかを見分けるだけでも、結構大変で、8割くらいの精度でした。実際に現地でのグランドトゥルースをすることでその精度は高められます。というかその調査に同行したことがありますが、リモセン系の方の発想は、8割あっていれば良い、ということのようです。

リモセンのデータは見たり、引用はしますが、おそらくそんなものだろうなぁと思いながら見ることが大事かも知れません。

氷河の大村先生も、現地観測に拘っておられましたね。
綾波シンジ
2009/04/22 02:45
うう、そうですか。綾波さんがリモセンは話半分で聞くという理由がちょっとだけ分かりました。以後気をつけます。

(まあ、レーダー画像ってノイズだらけの場合が珍しくないですよね。それを「ここがxxで、ここがxxで」と明快に説明されるのを聞きながら、すげー、分かる人には分かるんだといつも感動して聞いてました。レントゲン写真でも医者は「ここに陰がありますね」と言うけど私には全然分からなかったりする。そんなものか、と思ってたんですが、やっぱり分かってなかったんだ(笑))
Polly
2009/04/22 19:53
たぶん、pollyさんの以前の見方と自分ってほぼ同じだと思います。(南極の気温の時にも衛星ネタがでましたよね)

「リモセンがどこまで信用出来るのか分かりながら使う」ってのが実際ですよね。100%信じても行けないし、全く信じられないと言うわけでもない。

自分も衛星画像使ったことあるのですが、ノイズをどう除去するか(既存のフィルタリング)、除去出来ないノイズはどうやって結果に影響を出さないようにするか(ある意味どう除去するかと同じですが、こっちはアイデア?)が問われたりします。
ただ、酷い研究も確かにあって、水域切り分けなんて時に、絶対浸水するハズのない山体まで水域にしてるやつとかもありました。だからこそ新たな手法が必要……と背景に持ってくるわけで(笑)

赤祖父さんにしろ、今回の観測隊にしろ、そりゃぁ違ってることもあるわ、そんなもんそんなもん程度だと思いますよ。それで、「衛星なんて信用出来るか!」と極端に走るのとはちょっと違います。かといって信じるでもなく……。

自然環境相手の科学ってそんなものでしょうね。
綾波シンジ
2009/04/23 20:05
現場の雰囲気が伝わるコメント、ありがとうございます。勉強になります。その分野に従事していない人間にとって、とても難しいことの一つがこの「どの程度信用すれば、疑えばいいのか」という感覚を持つことです。
おそらくリモセンも分野によって感覚は違うでしょう。少しずつでも勉強したいと思っています。今後ともお教えのほどよろしくお願いします。
Polly
2009/04/26 13:45

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