気候変動覚え書き

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zoom RSS ヒマラヤの氷河の後退進む

<<   作成日時 : 2008/11/28 00:09   >>

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チベット高原の南端にあるNaimona'nyi氷河(高度6050m)から2006年に採取したアイスコアを分析したところ、アイスコアの年代決定で標準的に用いられる1950年代、60年代に行われた核実験由来の36Clと3Hが含まれていなかった。これら核種が高山の氷河から検出されなかったのはこれが初めて。210Pbの測定からは、本コアの最上部は1944年頃と推定される。本氷河はそれ以降、ネットでの質量追加がなかったことになる。本氷河がある地域はIndus, Ganges, Brahmaputra川の源流となっており、将来の水供給が懸念される。
こうした現象が起きた理由としては、高山は気候変動の影響を受けやすい、が考えられる。気温が上昇すると大気中にはより多くの水蒸気が含まれるようになり、大気の上昇に伴って放出される潜熱が増加するため、高山の気温の上昇幅は平地よりも大きい。現在ヒマラヤでは10年に0.3度の割合で気温が上昇している。IPCCの予測では2100年までに気温は3度上昇すると予測されているが、これら氷河がある高度ではその2倍の上昇になると推定されている。もしこれが理由ならば、他の氷河、例えばアンデスの氷河でも同様の事態が懸念される。
ヒマラヤの氷河は夏雪型だから季節変動の影響を受けやすいという説明を以前読んだので、それが理由かな、と私は反射的に思いましたが、そういえばヒマラヤでは激しい気温上昇が観測されているという話もありました。どちらが理由であってもインダスやガンジスにとっては大問題です。更には黄河や揚子江の源流もこの近くだったはず。
氷河由来の水の重要性ですが、乾期にはガンジスの水の8割が氷河由来だという記述を読んだことがあります。その数字は元となる文章自体に内部矛盾が多数あったので私はあまり信用していないのですが、いま読んでいる日高敏隆、中尾正義「シルクロードの水と緑はどこへ消えたか?」p.58に中国の崑崙山脈からタクラマカン砂漠に流れる2つの河川を35年間観測した結果が図示されており、年間流量の半分くらいが氷河由来らしいので、大きくは外していないのかも。

Journal reference:
Kehrwald, N. M., L. G. Thompson, Y. Tandong, E. Mosley-Thompson, U. Schotterer, V. Alfimov, J. Beer, J. Eikenberg, and M. E. Davis (2008), Mass loss on Himalayan glacier endangers water resources, Geophys. Res. Lett., 35, L22503, doi:10.1029/2008GL035556.

Michael Reilly, 'Tibetan glaciers rapidly melting,' Discovery News, ABC Science, 25 November 2008, retrieved from http://www.abc.net.au/science/articles/2008/11/25/2428885.htm?site=science&topic=latest

Ohio State University (2008, November 26). Missing Radioactivity In Ice Cores Bodes Ill For Part Of Asia. ScienceDaily. Retrieved November 27, 2008, from http://www.sciencedaily.com/releases/2008/11/081118122148.htm

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