気候変動覚え書き

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zoom RSS 従来の気候モデルは南極の気温上昇を過大見積もり

<<   作成日時 : 2008/05/11 22:24   >>

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Geophysical Research Lettersに掲載された2件の論文を併せて。

南極地表付近の気温データセットを、1960-2005年についての1度x1度メッシュで作成したとのこと。15点の連続した観測データを数値モデルで補間。独立した観測と比較してみたところ、地域的な変動や、南極全体のトレンドをよく表現している。1960-2005年では気温の有意な変化はなかったが、1970-2005では南極の大半(南極半島を除いた部分)が僅かに寒冷化していたとのこと。

このデータセットを、IPCC第4次予測で使われたGCMたちの結果と比較したところ、1960-99年に関して降雪量の累積 (snowfall accumulation) は、トレンドは観測とよく合致し、また気温変動に対する感度も5%/Kとほぼ一致したそうです。従ってIPCC予測程度 (3度) 気温が上昇したら、(理解がまだ不十分である、気温上昇が氷床の挙動に与える影響を無視すると)南極は降雪量増加を通じて海面上昇を1mm/year程度打ち消す。だが1880-99年に関しては、GCMらは2.5倍から5倍程度、気温上昇を過大予測していた、これは蒸発量の変化を過大に見積もったためかもしれない、とのこと。

南極の気温データセット作成、ご苦労様です。元同業者の卵として敬意を表します。で、それをGCMと比べてみると早速、不具合がぽろぽろ出てきた訳ですね。これだからGCMは信用できない、、、いえ、GCM屋さんはGCM屋さんで私は深く尊敬しているんですが。だって私には出来ないことをやってのける人々なので。なおアブストを見ると、元論文には様々なトレンドの分析と考察が載っているようですし、上記の私の要約には変なところ (1880-99のデータってどこから出てきたの?とか) がありますが、私は本文を読めない(GRLは私の手近にはない)ので、突っ込まないで下さい。いま言えるのは、偏西風帯まで出ている南極半島は急速に温暖化しているが、それ以南にある南極大陸本体には、現在得られている荒い観測データを見る限り、降雨量でも気温でも温暖化は顕著には表れていない、というところでしょうか(過去50年間降雨量は増加していない、は別論文で出ている)。

元論文はこの2件。
Monaghan, A. J., D. H. Bromwich, and D. P. Schneider (2008), Twentieth century Antarctic air temperature and snowfall simulations by IPCC climate models, Geophys. Res. Lett., 35, L07502, doi:10.1029/2007GL032630.
http://www.agu.org/pubs/crossref/2008/2007GL032630.shtml

Monaghan, A. J., D. H. Bromwich, W. Chapman, and J. C. Comiso (2008), Recent variability and trends of Antarctic near-surface temperature, J. Geophys. Res., 113, D04105, doi:10.1029/2007JD009094.
http://www.agu.org/pubs/crossref/2008/2007JD009094.shtml

メディアとしては下記から。
National Center for Atmospheric Research/University Corporation for Atmospheric Research (2008, May 8). Climate Models Overheat Antarctica, New Study Finds. ScienceDaily. Retrieved May 10, 2008, from http://www.sciencedaily.com/releases/2008/05/080507132855.htm

Ohio State University (2007, February 17). Antarctic Temperatures Disagree With Climate Model Predictions. ScienceDaily. Retrieved May 11, 2008, from http://www.sciencedaily.com/releases/2007/02/070215144314.htm

ENN: http://www.enn.com/ecosystems/article/35988

2008/07/25追記
事実は事実として認めた上で、南極大陸だけが温暖化していないというのは不思議です。南極半島の先端は近年、激しく温暖化しているようですし、その結果として氷床が続々と崩壊している訳ですし。
、、、と思っていたら、フロン禁止の効果が出てオゾンホールがふさがると南極も温暖化する、との予測が最近でているようです(その1その2)。と言うことはつまり、CO2の放射強制力増加をO3の放射強制力減少が相殺していた?この2つがおなじオーダーか、時間ができたときに計算してみよう。

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